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多汗症のピーク時予測した「前線」
~受診の目安に、早めの治療を~

 わきや手のひらなどに大量の汗をかく多汗症。この病気の発症と症状悪化が増える時期の開始を予測した「前線」が初めて発表された。産学連携による試みで、汗で悩む人に受診の目安としてもらい、早めの治療を促している。花粉の飛散情報予測のように、親しみやすい形で多汗症を発信し、多くの人に病気を知ってもらうのも狙い。前線が最も早いのは那覇で6月1日。東京は同15日、大阪が同17日。最も遅いのが仙台で同25日だという。

多汗症前線2025(科研製薬提供)

多汗症前線2025(科研製薬提供)

 ◇最低気温が関係

 連携したのは、科研製薬、日本気象協会、医療データサービスを手掛けるJMDC、長崎大の4者。2015年1月から22年9月までの全国の約104万人分の多汗症患者のデータと、患者がいる各地域の気圧、湿度、気温、雨量など13項目の気象データを使って気象と多汗症の関連性を調べた。

 その結果、平均すると、受診が最も多いのは8月第1週で、患者数との相関性が高いのは「最低気温」と「体感温度」であることが分かったという。

 前線の作成には、独自の計算方式を活用。国内を15地域に分類し、それぞれの地域で患者数の基準値を設定し、基準値を初めて超えるときの最低気温を算定した。今年、その気温が超えると予想される日を「前線日」にした。計算方式と各地域の最低気温は公表されていない。

 各地域とそれぞれの前線日は、いずれも6月で那覇、東京、大阪、仙台以外では、札幌18日、青森13日、新潟14日、長野9日、岐阜17日、名古屋12日、松江17日、広島23日、徳島10日、福岡18日、大分11日。前線は気象状況で変動する可能性がある。

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