嘔吐が起こる場合 家庭の医学

 嘔吐(おうと:吐く)は、脳(中枢〈ちゅうすう〉)から胃腸(消化管)にいたる経路に異常があったときに起こる症状です。多くの場合、吐き気(悪心〈おしん〉)に引き続き嘔吐が起こります。その原因は多岐にわたりますが、日常でよくみられるものを表に示しました。

 嘔吐が続くと脱水症におちいり、急激に腎臓の機能が悪化したり(急性腎不全)、血圧が下がり意識障害が起こります。また、吐いた物(吐物〈とぶつ〉)をのどや気管・気管支につまらせて窒息したり、誤嚥(ごえん)性肺炎を起こして死亡することもしばしばです。

(執筆・監修:社会医療法人恵生会 黒須病院 内科 河野 正樹)