食中毒のときの手当て 家庭の医学

 食中毒のときも短時間に何回も嘔吐がみられます。まず、胃の中に残っている毒物を出すために吐きたいだけ吐かせますが、むりをして吐かせる必要はありません。
 意識がはっきりしない場合は、吐物(とぶつ)による窒息や誤嚥(ごえん)性肺炎を起こしますので、横向けに寝かせて回復体位にして吐かせるようにします。
 この際、吐き気止めや胃腸薬は症状を悪化させる可能性があるため、のませないようにして、すぐに救急車を呼びます。
 救急車がくるまで、家族や職場同僚、友人に同様な症状の人がいないかどうか、今日食べた食材や調理方法・保存方法、嘔吐以外の症状、最近の海外渡航の有無についてまとめておきます。そして、救急隊員へ手短に情報を伝えてください。また、吐物は救急隊員や医師に見せるようにします(マスク・手袋着用)。
 食中毒の月別発生状況は、夏期は細菌性食中毒が、12月~冬期はノロウイルスによる食中毒が多く発生しています。また食中毒の原因食品は、事件数別で魚介類31.1%、複合調理食品5.7%、肉類(加工品を含む)4.3%、野菜類(加工品を含む)4.0%、菓子類0.7%となっています
 食中毒は予防が大切です。ありとあらゆる食材が食中毒の原因となるため、清潔な調理や新鮮な食材を使用すること、および加熱処理を十分におこなうことを心掛けてください。さらに、野草やキノコによる食中毒は季節によって発生が異なってきますので、くれぐれも食べられる品種と有毒な品種を間違えないように、細心の注意をはらうようにしてください。

《参考文献》
1.公衆衛生マニュアル 2023,p.180,南山堂,2023.

(執筆・監修:社会医療法人恵生会 黒須病院 内科 河野 正樹)

他の病気について調べる