超高齢社会とは
超高齢社会とはどんな世の中でしょうか?
65歳以上の人口の全人口に対する比率を「高齢化率」といいます。高齢化率によって以下のように社会の呼びかたが変わります。
現在日本は高齢化率29%で超高齢社会と呼ぶのが正しい表現です。世界主要国では、イタリア(23.6%)やドイツ(22.0%)が超高齢社会で、米国(17.0%)や韓国(16.6%)などが高齢社会に属します。
この高齢化は地球規模で進行し、2050年には主要国が超高齢社会に達するとされています。高齢化にどう向き合うかについて、日本は世界のお手本といえます。

超高齢社会では、人口ピラミッドは紡錘(ぼうすい)形になり、少子化が同時に進行しています。その結果、今後15年間に人口がふえるのは75歳以上(後期高齢者)だけで、特にふえるのが85歳以上の超高齢者と呼ばれる人たちです。

現在、外来平均年齢は65歳、入院の平均年齢は75歳となっていますが、このような世代の人口は減少し、激増するのは85歳以上の超高齢者です。超高齢者は、買い物、通院(交通機関の利用)、料理、服薬管理など、独居機能が低下した「生活弱者」でもあります。

現在でも、30%が老夫婦のみの世帯であり、30%は独居老人ですが、両者ともに今後さらに増加すると予測されています。そして認知症の罹患率は65歳以上で指数関数的にふえ、85歳以上では3人に1人は認知症となると予測されています。そうなると、独居、老人が老人を介護する「老老介護」、認知症夫婦が介護し合う「認認介護」が確実に増加していくことになります。
(執筆・監修:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 理事長/国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 理事長特任補佐 鳥羽 研二)
65歳以上の人口の全人口に対する比率を「高齢化率」といいます。高齢化率によって以下のように社会の呼びかたが変わります。
高齢化率7%以上14%未満 : 高齢化社会 高齢化率14%以上21%未満 : 高齢社会 高齢化率21%以上 : 超高齢社会 |
現在日本は高齢化率29%で超高齢社会と呼ぶのが正しい表現です。世界主要国では、イタリア(23.6%)やドイツ(22.0%)が超高齢社会で、米国(17.0%)や韓国(16.6%)などが高齢社会に属します。
この高齢化は地球規模で進行し、2050年には主要国が超高齢社会に達するとされています。高齢化にどう向き合うかについて、日本は世界のお手本といえます。
国・地域 | 総人口 (万人) | 65歳以上 (万人) | 65歳以上割合 (%) |
---|---|---|---|
日本 | 12522 | 3640 | 29.1 |
イタリア | 6037 | 1425 | 23.6 |
ポルトガル | 1017 | 235 | 23.1 |
フィンランド | 555 | 127 | 23.0 |
ギリシャ | 1037 | 235 | 22.6 |
マルティニーク | 37 | 8 | 22.3 |
ドイツ | 8390 | 1844 | 22.0 |
マルタ共和国 | 44 | 10 | 21.8 |
ブルガリア | 690 | 150 | 21.8 |
クロアチア | 408 | 88 | 21.7 |
総務省統計局「統計トピックスNo.129」より作成 日本の値は「人口推計」2021年9月15日現在、 それ以外の国は、国連のWorld Population Prospects: The 2019 Revisionにおける将来推計から2021年7月1日現在の推計値 |

超高齢社会では、人口ピラミッドは紡錘(ぼうすい)形になり、少子化が同時に進行しています。その結果、今後15年間に人口がふえるのは75歳以上(後期高齢者)だけで、特にふえるのが85歳以上の超高齢者と呼ばれる人たちです。

現在、外来平均年齢は65歳、入院の平均年齢は75歳となっていますが、このような世代の人口は減少し、激増するのは85歳以上の超高齢者です。超高齢者は、買い物、通院(交通機関の利用)、料理、服薬管理など、独居機能が低下した「生活弱者」でもあります。

現在でも、30%が老夫婦のみの世帯であり、30%は独居老人ですが、両者ともに今後さらに増加すると予測されています。そして認知症の罹患率は65歳以上で指数関数的にふえ、85歳以上では3人に1人は認知症となると予測されています。そうなると、独居、老人が老人を介護する「老老介護」、認知症夫婦が介護し合う「認認介護」が確実に増加していくことになります。
(執筆・監修:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 理事長/国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 理事長特任補佐 鳥羽 研二)