睡眠関連呼吸障害〔すいみんかんれんこきゅうしょうがい〕 家庭の医学

■睡眠時無呼吸症候群
 中年以降に多い病気です。睡眠中大きないびきをかき、短時間の無呼吸が数多くみられます。また不眠の自覚と日中の眠気が強く出ます。また肥満者に多いのも特徴的です。睡眠時無呼吸症候群には2つの種類があり、気道(咽頭〈いんとう〉など空気が通る道)が狭くなっている閉塞性と、そのような狭窄(きょうさく)はない中枢性があります。診断は、睡眠ポリグラフ(脳波、眼球運動、筋電図、呼吸曲線などを同時に測定する)や簡易無呼吸診断装置の検査と耳鼻科診察により決まります。
 治療は、まず体重減少を試みます。夜間の無呼吸が頻発し、血中酸素濃度の低下が深刻な場合は、持続性陽圧呼吸法が用いられます。さらに気道の狭窄がある場合には手術の適応になります。

【参照】
 歯と口とあごの病気:閉塞型睡眠時無呼吸症
 呼吸器の病気:睡眠時無呼吸症候群

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)