市販薬の乱用と依存〔しはんやくのらんようといぞん〕

 本来の目的以外に使用される市販薬の乱用と依存で、市販薬の内容としては、鎮咳(ちんがい)・去たん薬が圧倒的に多く、鎮痛薬、総合感冒薬、睡眠薬などがこれに続きます(2018年病院調査)。成長過程で、問題を自分に抱えてしまう10代の若者に多いということです。薬をのむことにより不安や抑うつから逃れ意欲も増すということになりますが、まもなく効果がうすれ、飲む量をふやしていきます(身体依存)。幻覚や妄想などの症状はありません。やめようとすると、意欲減退、強い全身倦怠(けんたい)感、身の置きどころのない焦燥感が出たりします。
 市販薬乱用の場合、使用量や使用頻度の違いが大きく、どこからが問題かの線引きが難しいようですが、決められた量を大きく超え目的外に使用している場合には、専門的治療を求めたほうがよいと思われます。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)