唾石症〔だせきしょう〕 家庭の医学

 唾液をつくる組織(唾液腺)の中に石が生じて、炎症が加わると痛みや発熱、はれなどの症状が出ます。唾液腺には、耳下腺(じかせん:おたふくかぜではれる部分)、舌下腺(ぜっかせん:舌の下、くびからは触れない)、顎下腺(がくかせん:あごの下)などがありますが、唾石が生じやすいのは顎下腺です。生じた石が唾液の排泄(はいせつ)をさまたげ、食事の際、痛みやあごの下のはれなどが起こります。
 症状が慢性的にくり返されると、顎下腺はかたい腫瘤に変化します。治療は、石の除去や顎下腺の摘出です。

【参照】歯と口とあごの病気:唾液腺の機能の異常

(執筆・監修:埼玉医科大学 名誉教授 中塚 貴志)
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