変形性脊椎症〔へんけいせいせきついしょう〕 家庭の医学

 椎間板(ついかんばん)が変性し、その厚みが減少した状態です。
 加齢により髄核(ずいかく)のプロテオグリカン含有量は減少し、髄核はそのみずみずしさを失います。脊椎分離症のような椎骨の後方部分の構造欠陥、重労働の職業や激しいスポーツ、長時間にわたる同一姿勢保持など、椎間板への過剰な負荷は悪化要因です。
 喫煙も髄核の栄養に影響するといわれています。筋肉の状態も重要で、筋力、柔軟性、拮抗(きっこう)筋とのバランス、神経によるコントロールの低下も症状の発現に関係します。椎間板の栄養を保つには、適度な運動と、横になるなど椎間板への負荷を減少させる姿勢が大切です。
 椎間板が変性するとショック吸収機構としてのはたらきがわるくなり、過剰な骨(骨棘〈こつきょく〉)の形成がみられるようになります。この骨棘や変性した椎間板組織が神経を圧迫すると、痛みやしびれ、筋力低下などの神経症状をきたすことがあります。

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