血液の作用と成分

■血液の循環
 血液は、ヒトのからだのすみずみまで流れている赤色不透明の液体です。心臓の収縮によって送り出された血液は、全身に張りめぐらされた動脈を通って全身の組織に酸素や栄養素といった必要な成分を届けます。そして、新陳代謝の結果として不要となった炭酸ガスや老廃物を回収して静脈に集まり、ふたたび心臓に戻っていきます。静脈から心臓に戻ってきた血液は肺に送られ、炭酸ガスを排出し、酸素を取り込んで心臓に戻り、また全身をめぐります。これを血液の循環といいます。ヒトのからだ中の細胞が元気な状態を保っていられるのは、血液のおかげといえます。

■血液の有形成分
 血液は体重のおよそ8%で、液体成分(血漿〈けっしょう〉)と有形成分(赤血球、白血球、血小板からなる)に分けられます。
 赤血球は、ヘモグロビンという酸素と結合する性質をもったたんぱく質を含む血球で、肺で取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割をもっています。血液が赤いのは、鉄を含んだヘモグロビンが赤いからなのです。
 白血球は、その形状から好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球などに分けられます。好中球、単球は貪食(どんしょく)作用といって、細菌などの異物を取り込み、からだを感染から守る重要な役割を果たしています。感染症のときに白血球が増加するのはそのためです。リンパ球は免疫に関与する重要な細胞でBリンパ球とTリンパ球に分けられます。好酸球はアレルギー反応に関与する血液細胞です。
 血小板は2μm程度の大きさの、核のない血液細胞で、血液1μL中に15万~40万個あり、からだの止血反応の主役をなしています。

■血液の液体成分
 血球は、からだの胸骨、肋骨(ろっこつ)、背骨、骨盤骨などのなかにある骨髄(こつずい)で、造血幹細胞という血球のおおもとになる細胞が分裂しつくられます。
 血球は血液全体の4~5割程度の容積を占め、残りは血漿です。血漿には多種多様なたんぱく質が含まれており、からだにとって必要なものが多くあります。血漿たんぱく質の60%がアルブミンで、血液の浸透圧(しんとうあつ:体の水分濃度を一定に保とうとする力のこと)を保つとともにいろいろな物質の輸送に役立っています。グロブリンは白血球とともにからだを感染から守り、免疫の役割を果たしています。また、フィブリノーゲンは止血に必要な血液凝固過程の鍵をにぎるたんぱく質です。
 血液は通常、流動性を維持して流れていますが、いったん血管の外へ出るとすぐに固まります。血小板のはたらきにも助けられて、血液中の何種類ものたんぱく質(血液凝固因子)のはたらきで、最終的に血液中に溶け込んでいるフィブリノーゲンがゲル状のフィブリンに変化し、血液が固まるのです。このなかには、血液の有形成分である赤血球、血小板、白血球が取り込まれます。血液が固まって残った液体は黄褐色透明で血清(けっせい)と呼ばれ、血漿中の血液凝固に関係するたんぱく質を除いたたんぱく質が含まれています。

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