インスリン依存型・非依存型と1型・2型 家庭の医学

 インスリン依存型・非依存型という呼称は、インスリン依存性の程度あるいは治療上インスリン注射が不可欠かどうかという点にもとづくものです。いっぽう、1型・2型は成因による呼称です。
 1型糖尿病の多くはインスリン依存型(あるいはインスリン依存状態)に進行しますので、1型=インスリン依存型と考えてもよいのですが、なかには、1型でも徐々に進行(悪化)していく途中過程の患者さんもいます。その場合はインスリン非依存型(状態)から依存型へ進行するといえます。
 また、成因的には2型糖尿病であっても、一時的にインスリン注射が不可欠な状態(インスリン依存状態)におちいることもあります。重症の感染症を合併した場合や、清涼飲料水を多飲していちじるしい高血糖とケトン体の上昇がみられ、ケトアシドーシスを呈するような場合です。後者のような状態を清涼飲料水ケトーシスと呼ぶことがありますが、若い2型糖尿病の肥満男性にときどきみられます。

(執筆・監修:東京女子医科大学附属足立医療センター 病院長/東京女子医科大学 特任教授 内潟 安子)
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