細菌性赤痢〔さいきんせいせきり〕

 赤痢菌(せきりきん)腸管感染症で、原因菌にはShigella dysenteriae(志賀赤痢菌)、Shigella flexneri(フレクスナー赤痢菌)、Shigella boydii(ボイド赤痢菌)、Shigella sonnei(ソンネ赤痢菌)の4種類が知られています。第二次大戦前は志賀赤痢菌やフレクスナー赤痢菌が多かったのですが、最近はソンネ赤痢菌によるものが多くみられます。
 感染経路は経口感染で、汚染された水や食物、手指などから感染します。潜伏期は1~5日(大多数は3日以内)です。井戸水や食物などが汚染されると集団発生します。感染力が強く100個以下の少ない菌でも感染が生じるため、家庭内感染も多くあります。
 主要病変は大腸にあるため、発熱のあと、腹痛、しぶり腹(テネスムス:便意は強いがなかなか排便できないこと)、下痢、粘血便などの症状を呈します。日本では毎年200~400例ぐらいが報告されており、その70~80%が国外からの輸入例です。多いのはソンネ型で、成人がおもに発症します。
 流行地(東南アジア、中南米、アフリカ)ではほかの3型のほうが多く、小児の感染例が多いといわれています。志賀赤痢菌の出す志賀毒素は、腸管出血性大腸菌O157の出すベロ毒素と類似しています。
 水分の補充と抗菌薬(成人にはキノロン系薬、小児にはホスホマイシン)の投与で治療します。同じく赤痢といわれるものに赤痢アメーバによる「アメーバ赤痢」があります。粘血便を出すなど臨床症状は似たところがありますが、原因となる微生物も治療方法も異なります。
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