病理検査

 手術や生検(バイオプシー:生体の組織小片を切り取ること)、あるいは遺体解剖で得られた臓器や組織片から、ごく薄い組織切片をつくり、染色して光学顕微鏡や電子顕微鏡を使って拡大して観察し、細胞や組織の異常をみる組織診がもっとも代表的な検査です。一般的な組織の染色だけでなく、細胞表面に発現している各種の抗原などを染めて細胞種の鑑別をおこなうなどの特殊染色もさかんに活用されており、病気の最終的な診断(確定診断)を得るための重要な検査として位置づけられています。
 病変部の擦過(さっか)や分泌液の採取などで得られた検体から、顕微鏡観察用の標本をつくり、特殊な染色をしてがん細胞の有無を調べる細胞診もおこなわれており、子宮頸(けい)がん肺がんなどの検診で活用されています。
 がんの手術では、切除後の取り残しがないかどうか、切除した組織の凍結標本で手術中に確認する、迅速診断もおこなわれます。

(執筆・監修:自治医科大学 教授〔臨床検査医学〕 紺野 啓)


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