視力・視野・眼底検査

 視力検査は、5m離れた視力表のどの大きさまで識別可能かをみる検査で、片目ずつ、裸眼視力、矯正視力を調べます。視野検査は、視野の中に見えない部分(欠けている部分)がないか調べるもので、緑内障、脳疾患、眼底疾患などで異常がみられます。
 眼底検査では、医師が眼底鏡を使って直接被検者の目をのぞき込むか、あるいは眼底写真を撮影するかして検査します。撮影時には瞳孔(どうこう)を開く必要があり、散瞳薬を使用しますが、これにより一時的にまぶしさを感じたり、近くのものに焦点が合わないなどの不都合が生じたりするので、検査後は一定時間の安静が必要です。高血圧動脈硬化があると眼底の動脈の径(太さ)が一様でなくなったり、蛇行したり、反射が増強したりして見えます。糖尿病では点状出血や白斑、眼底出血などがみられます。また、視神経乳頭陥凹(かんおう)の拡大により、緑内障が見つかることがあります。

【参照】医療機器によるおもな検査:眼底検査

(執筆・監修:自治医科大学 教授〔臨床検査医学〕 紺野 啓)