老化防止などをうたい、細胞から分泌される小胞「エクソソーム」を用いた自由診療が広がる中、日本再生医療学会は30日、治療提供上の注意点をまとめた指針を発表した。製造工程で医薬品医療機器法などに準じた品質管理を行うほか、検体や患者への投与記録などを保管することが重要としている。
エクソソームには、たんぱく質やリボ核酸(RNA)などが含まれ、さまざまな病気の治療効果が期待されている。実用化に向けた臨床試験(治験)が国内外で進む一方、公的医療保険の対象外で投与するクリニックが増加。安全性や有効性への懸念が生じているとの報告を受け、学会が指針を取りまとめた。
指針では、エクソソームを用いた医療行為を提供する医師や歯科医師は、科学的な妥当性と患者の安全性確保に努める必要があると指摘。バイオ医薬品とリスクは変わらないとして、医薬品に準じた厳格な製造管理などを求めた。 (C)時事通信社
「エクソソーム治療」の指針策定=老化防止など自由診療拡大―再生医療学会
(2024/04/30 18:33)