ニコンが不妊治療に当たる胚培養士の負担を大幅に軽減する新型顕微鏡を開発し、子会社を通じて発売することが3日、分かった。体外受精の手法の一つである顕微授精での操作工程数を約75%削減。作業効率を向上させ、女性の社会進出などを背景に需要が高まっている不妊治療を後押しする。
 新型顕微鏡は5日、発売される。顕微授精は卵子に精子を直接注入する。主に6段階の工程があり、従来はその都度レンズや光量などを設定する必要があった。新機種は各段階の複雑な設定をあらかじめ登録し、ボタン一つで変更できるようにした。誤操作を防ぐため、登録内容と異なる設定で使用した場合には手元のディスプレーで警告表示する。
 体外受精などの生殖補助医療で生まれた子の割合は年々増える傾向にあり、2021年は前年比1.4ポイント上昇し8.6%に上った。22年には不妊治療が保険適用され、今後件数、割合ともに伸びると見込まれている。 (C)時事通信社