旧優生保護法下で不妊手術を強いられた人らに給付金を支給すると定めた救済法は、議員立法で2019年に成立した。手術や放射線照射を受けたと認定されれば、存命中の人に対しては一時金320万円が支給される。認定は今年5月末時点の累計で1110人と、被害者約2万5000人のごく一部にとどまっているのが実情だ。
 こども家庭庁によると、請求件数は先月2日までに計1331件。都道府県別で見ると、宮城県が最多の134件、次いで北海道101件だった。手術の実施件数は北海道が全国最多、宮城県が2番目だったことが影響しているとみられる。
 旧法では障害者らに対する不妊手術だけでなく、人工妊娠中絶も行われた。中絶を受けた女性は約5万9000人に上るとされるが、支給の対象になっていない。支給金額の低さや、遺族による申請が認められていないことなども問題視されている。
 改正救済法が今年4月に施行され、請求期限は29年4月まで5年間延長された。 (C)時事通信社