伊藤信太郎環境相は8日、水俣病公式確認のきっかけとなった「1号患者」の田中実子さん(71)を熊本県水俣市内の自宅に訪ね、面会した。同席した義兄の下田良雄さん(76)によると、伊藤氏は「顔色が良いですね。大変でしたね」などと田中さんに声を掛けたという。
 面会は新型コロナウイルス対策のため非公開で、約15分間行われた。
 現在田中さんは寝たきりで、24時間の介護を受けている。自身も認定患者の下田さんは記者団に、「水俣病認定されずに苦しんでいる人が多い。認定制度などをもう一度見直してほしい」と訴えた。
 田中さんは3歳の誕生日を迎える直前の1956年4月、「靴が履けない」と訴え入院。病院長が「原因不明の患者が発生している」と保健所に報告した同5月1日が、水俣病公式確認の日となった。 (C)時事通信社