児童手当法の改正により、児童手当が10月分(12月支給)から拡充される。現在は「0~2歳」が月1万5000円、「3歳~中学生」が1万円となっているが、所得制限を撤廃し、支給対象を「高校生まで」に拡大。岸田政権が掲げた「異次元の少子化対策」の目玉施策であり、子育て世帯の経済的な負担軽減を図る。
 第3子以降への加算も手厚くする。支給額を現在の1万5000円から3万円に倍増し、3歳未満も対象とする。子どもが3人いても、全員が高校生以下でなければ加算を受けられない仕組みも見直し、第1子が22歳になった年度末まで加算の対象となる。
 支給回数は年3回から6回に増え、偶数月に2カ月分が支払われる。初回の12月には10、11両月分が支給される。子どもが高校生しかいないなど、これまで受給対象から外れていた人は、市区町村への申請が必要。こども家庭庁は、新制度を周知するためのリーフレットを自治体を通じて高校向けに配布している。
 児童手当拡充に加え、政府は異次元の少子化対策として、親の就労の有無に関係なく保育所を一定時間利用できる「こども誰でも通園制度」を本格実施するほか、育児休業の給付金支給率を手取りの10割相当に引き上げる。
 こうした財源として、2028年度までに年3兆6000億円を確保する方針。このうち1兆円は国民から幅広く集めるため、公的医療保険に上乗せする支援金を26年度から徴収する。 (C)時事通信社