アフガニスタンで長年にわたり医療支援や用水路建設などに尽力した医師中村哲さん=当時(73)=が凶弾に倒れてから来月4日で5年となるのを前に、中村さんが生前住んでいた福岡県大牟田市で24日、追悼式が営まれた。
 追悼式は中村さんが設立したNGO「ペシャワール会」(福岡市)の有志らが主催。参加者が約350の竹灯籠に火をともし、中村さんの冥福を祈った。
 遺影の前で手を合わせた大牟田市の女子中学生(13)は「中村さんのおかげで、国際支援の活動に関心を持つようになった。人助けの気持ちを教えてもらった」と話した。主催者の1人の沖牟田龍雄さん(79)は「中村さんの遺志を継いで、アフガンへの支援を続けるという気持ちを新たにした」と語った。
 式に先立ち、中村さんと共に現地で30年以上、医療活動などに携わってきた同会の看護師藤田千代子さん(65)が、会場近くで中村さんのこれまでの活動について講演。「アフガンの希望となる活動だった」と語った。
 中村さんはパキスタンでハンセン病治療や一般診療に携わった後、1989年からアフガンに活動を広げ、農村復興のための井戸掘りや用水路工事にも尽力。2019年12月、車で移動中に銃撃を受け、殺害された。 (C)時事通信社