来年度(2025年度)から専門研修に臨む専攻医の総数がほぼ確定した。日本専門医機構理事長の渡辺毅氏は昨日(3月24日)開催した同機構の記者会見にて、新たに採用された来年度における専攻医の総数を発表。来年度は9,762人と、今年度の9,454人から約300人増加し、過去最多になったことを明らかにした。また各診療科、各地域の専攻医数も合わせて公表した(関連記事「来年度の専攻医、今年度比150人増の9,500人」)。
外科医は今年度比50人増、内科、耳鼻咽喉科なども増加
来年度における新専攻医の総数が今年度に比べ増加した件について、渡辺氏は「国の医学部定員増に関連する施策の影響から実数は増えているが、採用率自体は今年と比べ大きく変わってはいない」と説明した。
診療科別に専攻医数を見ると、慢性的な医師不足が指摘されている外科が863人と今年度(807人)比50人超の増加、内科(3,027人)、耳鼻咽喉科(278人)なども今年度を上回った。
専門医機構が所管する総合診療は300人と今年度(290人)から微増、2021年度に創設された臨床研究医コースは25人で、今年度の14人を大きく上回った。総合診療医、臨床研究医の専攻医数が増加した点に関し、同氏は一定の評価をしつつも、さらなる周知や啓発を通じて増加を図る必要があると強調。「臨床研究医の意義や研修内容などを説明するパンフレットを作成中であり、2026年度の専攻医募集開始までには配布できるようにしたい」と述べた。
なお、都道府県別の専攻医数は東京都1,812人(今年度1,791人)、大阪府724人(今年度733人)など、全体的に今年度に比べ大きな増減は見られなかった。
(編集部・陶山慎晃)