サークルズ

「臨床現場で医師は何をすべきか」を自主的に学ぶ
~関東医学部勉強会サークル「KeMA」~

 2016年10月に複数の大学の医学生がつくった関東医学部勉強会サークル「KeMA(キーマ)」。現場で経験を積んだ臨床医からリアルなレクチャーを受け、他大学の医学生と交流を図りながら、とにかく楽しく勉強することをモットーにしている。創設メンバーの一人である前代表の高橋健祐さん(東京大学6年)と、現代表の高原彩佳さん(千葉大学3年)に話を聞いた。

(聞き手・文 医療ライター・稲垣麻里子)

前代表の高橋さん


 ◇臨床推論や診断学に興味

 ――創設当時の問題意識と創設までの経緯を教えてください。

 高橋さん 立ち上げメンバーは、防衛医大が3人、筑波大が2人、東京医大が1人、それに東大の僕を入れて7人でした。関東には、それぞれの大学でミニマムな勉強会はありましたが、他大学の学生と交流できるような勉強会はあまりありませんでした。

 KeMAの活動は、16年6月に防衛医大6年(当時)の池上侃さんが中心となって民谷健太郎先生(札幌東徳洲会病院・救急科)をお招きしたのが始まりです。初回の民谷先生の会は「What if」というタイトルで、症例を振り返って、もしこの症例がこうだったら、どうなっていたかをディスカッションするような内容でした。

 その後、同年10月のKeMA第1回勉強会を経て、当時4年生だった僕が初代代表に就任しました。

 ――高橋さんが創設メンバーとして、代表として積極的に参加された動機は何ですか。

 高橋さん もともと僕は臨床推論や診断学に興味があったのですが、東大には診断学の授業がありませんでした。15年8月の「Medical Future Fes」で千葉大学総合診療科教授、生坂政臣先生の講演を聴く機会があり、現役の総合診療医の先生に教えてもらう臨床推論が本当に面白いと感じました。

 また、関西には「大阪どまんなか」のような総合診療の勉強会が既にあり、16年1月に参加したことで、関東でも大学以外の場で、学生同士がディスカッションするケースカンファレンスをやってみたいという思いが強くなりました。

代表の高原さん


 ◇人気番組「ドクターG」のように

 ――高原さんが参加されたのはいつからですか。

 高原さん 17年3月の第3回勉強会「ドクターGだョ!全員集合!」の時に初めて参加しました。私が医学部に入ったのはテレビの人気番組「総合診療医ドクターG」に憧れたからだったということもあり、フェイスブックで見て興味を引かれ、参加しました。

 周りの参加者は高学年がほとんどでしたが、先生が提示する症例についてのグループディスカッションに挑戦しました。当時、私は1年生だったので、解剖学も生理学も学んでおらず、分からないことが多かったのですが、高学年の参加者の方が教えてくれて、当時の自分としては新しい医学知識を得ることができて満足しました。

 また何より、この勉強会の雰囲気が気に入り、第4回以降、スタッフとして活動するようになりました。

 ――参加者数や運営方針について教えてください。

 高原さん 勉強会は年に5回開催しており、高学年の学生が発表する会と、医師を講師にお招きする会をバランスよく行っています。平均すると毎回30~40人の参加者が集まります。

 まずは、前回の勉強会のアンケートを参考にして、スタッフミーティングでテーマを決めます。そのテーマについて学生発表で取り扱ったり、そのテーマに合ったお話をしてくださる先生に依頼したりします。

 学生発表では自ら勉強しながら、スライドを作ったり、みんなの前で発表したりすることで、自分の中の知識も整理できて、スキルアップにもつながると思います。

 大学の授業では、臨床現場に近いことはなかなか学べなかったり、自分でどう考えて行動するのかまでを学ぶことは難しかったりします。

 そのような理由からKeMAの勉強会を、実際に臨床医がどう考えて診断するのかを具体的に学ぶことができる場にしたいと思っています。


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