教えて!けいゆう先生
〇〇は体にいい?
医師が答えに悩む理由
◇医学的に言葉を定義すべき
胆のうの摘出と、その結果起こりうる事象との因果関係を医学的な言葉で説明する、というわけです。
「腸に優しいか」「体にいいか」「健康になれるか」といった話し言葉での疑問を医学的な命題に言い換えなければ、それに対する正確な答えを提供できません。
もちろん、患者さんに「医学の機微を理解してほしい」などと言っているわけではありません。医師と話す際には、どんな質問にもスムーズかつクリアに、「打てば響く」ように白黒はっきりした答えが返ってくるとは限らない、という点を理解しておいた方がいい、ということです。
◇分かりやすさと正確性
医学的な事実に誠実に向き合い、患者さんに真に正確な情報を提供したいと考える医師は、「分かりやすさと医学的な正確性」とのはざまでいつも悩んでいます。この悩みが全くなく、全てをクリアに説明できる医師がいるとしたらどうでしょうか。
彼は患者さんにとって「短期的には」満足度の高い医師かもしれませんが、きっと患者さんが長期にわたって信頼できる名医には成れないはずです。
医師は、患者さんに分かりやすく、かつできる限り医学的正確性を損なうことなく専門的な知識を伝えるために、たゆまぬ努力をする必要があるのだと私は思います。(医師・山本健人)
*参考文献
慢性便秘症診療ガイドライン2017、胆石症診療ガイドライン2016
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(2019/07/31 06:00)