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【医学生インタビュー】
新専門医制度ってどうなってるの?
日本専門医機構の寺本民生理事長に聞く・前編

 2018年4月から新しい専門医制度がスタートした。06年に始まった臨床研修の必修化に続き、医師のキャリアパスに大きな影響を与える医学教育改革だ。医学生の立場から日本専門医機構の寺本民生理事長に新専門医制度の立ち上げの経緯や目的、展望について聞いた。

 聞き手は慶応義塾大学医学部4年生で、同医学部の学生有志が企画する「明日の教室」運営メンバーの宮崎大志さん。今回はインタビューの前編を紹介する(構成・稲垣麻里子)。

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 ―よろしくお願いします。最初にお尋ねしたいのですが、ここに来て専門医制度が新しくなったのはなぜでしょうか。

寺本民生理事長
 寺本先生 医学生ならご存じだと思いますが、医師になるためには、6年間の医学部の勉強が終わった後、国家試験を受けますよね。その後、初期臨床研修(現在は「臨床研修」)という2年間の臨床研修が必修となっています。

 臨床研修は、医学部の学生時代の臨床実習と比べると、レベルが高く、2年間でいろいろな科を回り、オールラウンドな医師としての素養を身に付けるというのが基本になっています。

 研修中に内科か外科かまたはそれ以外といった、ある程度の専門性を持った進路を選んでいくのですが、専門医を育成・認定するのが新しい専門医制度です。

 ◇信頼性を担保するのが目的

 かつて研修医は、2年間の研修の後は、大学の医局に入局するのが一般的でした。私の時代には、1年間の研修後に第一内科に入りました。内科系の勉強をしながら、消化器なのか循環器なのか呼吸器なのかを決めるのですが、例えば肝臓に興味があれば消化器の学会や肝臓の学会に入って、ある程度研さんを積んだ後、試験を受けてパスすると、消化器専門医として学会が認定します。

宮崎大志さん
 ところが、近年の医学の進歩で専門分野が細分化し、学会とその学会が認定する専門医が乱立するようになってきました。各学会で専門医の認定基準やレベルもバラバラで、統一性がなくなってきてしまいました。

 そうなると専門医に対する国民の信頼性も担保できなくなる。さまざまな課題を抱え、昭和50(1975)年代から専門医についての議論が始まったのです。長い議論の末、日本医学会や日本医師会、日本病院会や全国医学部長・病院長会議のような大きな組織が主導して、専門医制度を作ろうというコンセンサスが固まってきました。

 厚生労働省でも2011年から「専門医の在り方に関する検討会」が開催され、審議を重ね、13年、どの学会にも属さず、第三者的に基準を統一化して専門医を認定する組織、一般社団法人日本専門医機構(以下専門医機構)が設立されました。

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