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生命保険の請求を代行
「人生100年時代」に備え実証事業 全国展開も視野

神奈川県立がんセンター利用者への案内

 病気で入院したり、死亡したりした際、生命保険会社への保険金請求を代行します-。「人生100年時代」が現実味を帯びる中、患者本人や家族らに代わって病院や保険会社への照会、請求手続きなどを行うサービスの実証事業が神奈川県で本格化している。複数の契約があっても、煩雑な事務手続きなどを一手に引き受けて処理する試み。参加病院や保険会社の増加などにより、全国展開も視野に入ってきた。

 ◇母のケースが契機に

 この事業は昨年6月、一般財団法人「あなたの医療」と神奈川県立がんセンター、日本生命、第一生命などが協定を結んで開始した。生命保険、特約の入院保険などは、本人が高齢で契約先や契約内容を明確に覚えていないケースもある。家族が別居している場合は、契約先を探すだけでも一苦労だ。

 こうしたケースを念頭に、あなたの医療は本人や家族らからの委任を受けて、まずは氏名に基づいて保険会社に照会。契約の有無を確認した上で同がんセンターから診断書を取り寄せて保険金を請求する。代行手数料は死亡保険が5万円、死亡保険以外は5000円に設定している。

 あなたの医療を立ち上げた畑中洋亮代表理事は、保険請求の煩雑さを経験した1人だ。2017年に実母が他界した際、「母には複数の保険契約があり、書類作成、請求には大変な苦労をした」という。代行業務には必ずニーズがあると判断し、今回の仕組みを考え出した。

神奈川県立がんセンター(神奈川県県立病院課提供)

 ◇病院、生保にもメリット

 実証事業に協力している神奈川県の保健医療部医療課は「患者、家族の利便性向上につながる。実証事業が『人生100歳時代』の新しい制度構築につながるきっかけになればと期待している」(横川裕課長代理)。

 請求代行は患者や家族だけでなく、病院や保険会社にも大きなメリットがある。

 病院は、診断書の作成依頼などに不慣れな患者・家族への説明や事務手続きなどに時間を奪われるケースがしばしば起きる。これに対して、あなたの医療は同じフォームを使って診断書の作成を依頼するため、事務がスムーズに運ぶという。

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