【連載COPD②】リハビリは有効な治療手段=進行防ぐ正しい呼吸法
国際的にも患者の増加が懸念されている慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)。「禁煙」と「薬剤」で悪化を防ぐのが一般的だが、複十字病院(東京都清瀬市)呼吸ケアリハビリセンターの吉田直之センター長は「COPDに対する呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)の効果は明らかです。欧米では国を挙げて取り組んでいます」と普及を訴える。
◇薬のみの管理は困難
COPDは、初期の段階では主症状の息切れの自覚がないことに注意が必要という。吉田センター長は「ゆっくりと進行するため、患者さんは無意識に息切れしないペースで歩き、差し支えなく生活しています。呼吸困難で生活に支障が出て、受診した時には、かなり進行しているのです」と、早期対応が難しい理由を説明する。
治療はまず、原因となるたばこをやめ、気管支を拡張させる吸入薬や吸入ステロイドで対処していくのが一般的だ。
COPDは、たばこの煙による炎症で空気の通り道(気管支)が狭くなり、素早く息を吐き出せない状態に陥っており、これが息切れの原因になっている。これを吸入薬だけで改善するのはなかなか難しいという。
吉田センター長は「薬で気管支はある程度広がりますが、呼吸困難やせき、たんなどの頻度が増すなど急激に強まる症状の悪化を完全に防ぐのは難しい。そこで、薬の追加と併せて取り組みたいのが、呼吸リハです」と話す。
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(2017/01/27 10:32)