50歳過ぎたらPSA検査 =早期発見で望める治癒―前立腺がん
近年、前立腺がんの患者数が増加している。進行が遅く特徴的な症状が見られないことから、気付きにくいがんとして知られるが、最近では早期でも前立腺特異抗原(PSA)検査で見つかるようになってきた。大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)泌尿器科の野々村祝夫教授は「定期的な受診で早期発見すれば、治癒を目指しやすくなります」と話す。
◇加齢による症状と類似
前立腺は、精液の一部を作る男性だけの臓器。前立腺がんは、前立腺の細胞が無秩序に増殖するがん化で発生する。男性のがん患者全体で最も多い約17%を占め、死亡数は年間でおよそ1万2000人との報告がある。
早期の前立腺がんは自覚症状に乏しいが、ある程度進行すると、尿が出にくい、残尿感がある、夜間にトイレに行く回数が増えるなどの症状が表れることがある。前立腺がんが気付かれにくいのは、これらの変化が加齢とともに増える前立腺肥大とよく似ているからだ。
「年のせいにして受診が遅れることも少なくありません。進行すると、がん細胞がリンパ節や骨に転移し、血尿や腰痛などが生じることもあります」と野々村教授は解説する。
(2017/02/06 11:43)