足裏や爪が黒くなる =厄介な皮膚がん・メラノーマ
メラノーマ(悪性黒色腫)は国内の患者数が年間1500~2000人という皮膚がんで、早期にリンパ節に転移したり、血液を介して内臓に転移したりして生死に関わる場合もある。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)皮膚腫瘍科の山崎直也科長は「大きさより深さが問題。発見時の深さが4ミリを超えていると生存率が低くなります」と説明する。
◇足の裏が要注意
メラノーマはメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が悪性化するがんで、日本人では体の末端に多く発症し、その場所は足の裏だけで全体の25%程度、手足の爪を合わせると40%以上を占める。明確な原因は不明だが、40代でも発症し、顔にできる人では紫外線の浴び過ぎが原因であることも多い。
かつてメラノーマには有効な薬がなかったが、米国で2011年に免疫チェックポイント阻害薬「イピリムマブ(商品名ヤーボイ)」が承認され、15年7月には日本でも承認された。また、14年7月に「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」という有効な薬が日本発で生まれている。
二つとも高価だが、イピリムマブの3年生存率は22%で、ニボルマブはそれ以上の効果が期待でき、二つの薬剤の併用で1年生存率が85%に上がるという検証結果も出ている。メラノーマは“共に生きる”ことが可能ながんになった。
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(2016/09/20 15:54)