治療・予防

人生設計に合わせ治療選択
40歳前後、多い子宮腺筋症

 子宮腺筋症は、子宮内膜の組織が何らかの原因で子宮の筋肉内にできる病気だ。潜在的な患者は多いといわれているが、専門的な治療を行う施設は極めて少ない。子宮腺筋症外来を設け、さまざまな視点から治療に取り組む、東京大学医学部付属病院(東京都文京区)女性診療科・産科の広田泰講師は「治療と併せて、将来にわたるライフプランをしっかり立てることが必要です」と話す。

 ◇痛みや出血貧血

 子宮内膜とは、受精卵が着床するベッドのような組織だ。女性ホルモンの作用により毎月作られ、妊娠が無ければ剥がれて月経となる。この子宮内膜の組織が、子宮以外の場所にできることを子宮内膜症、子宮の筋肉内にできるのを子宮腺筋症と呼ぶ。中には両方が合併している場合もある。
 症状としてはひどい月経痛や過多月経、だらだらと続く不正出血のほか、貧血を起こす場合もある。「子宮の筋肉が硬くなり収縮のバランスが悪くなるため、経血をうまく排出できずにこうした症状が出ると考えられます」と広田講師は説明する。
 30代後半から40代に多く、現代女性の結婚、出産の時期と重なるため、治療は難しくなりがちだ。また、出産回数の多い人や、子宮の手術をしている人に多いと言われるが、詳しい発症のメカニズムは分かっていない。

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