治療・予防

強度の近視、甘く見ないで=病的レベルは失明の危険も

 「強度近視」という言葉をご存じだろうか。放置していると失明の危険もある病気だが、一般的な近視とどう違うのか。強度近視の専門外来を設ける東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)眼科の大野京子教授に聞いた。

 ◇眼球変形で視力低下

 成人の眼球は通常、直径約24ミリの球形だが、近視では眼球が変形し、眼軸長という眼球の前後方向の長さが25~26ミリ程度に伸びる。近視が進み強度近視になると、眼軸長は27ミリ以上となり、屈折度を表す「ディオプトリー(D)」はマイナス8D(12.5センチまで近づけるとはっきり見える程度)を超える。

 日本では、40歳以上の42%が近視、20人に1人が強度近視との報告もある。原因は、遺伝的要因と環境的要因、両方の関与が考えられる。

 強度近視は眼球にかなりの負荷がかかった状態で、物を見るのに重要な視神経や網膜の中心部の黄斑部の障害が起こりやすい。ひとたび障害が起こると、眼鏡などで矯正しても改善されない、いわゆる「病的近視」に至る。

 「どれだけ手元に近づけてもはっきり見えない、見ようとする所が見えない、物がゆがむ、視野が欠けるといった症状が表れ、網膜剥離などの合併病変が起こりやすくなります。失明のリスクもあり、深刻です」と大野教授。

 ◇検査でリスク回避を

 強度近視では眼球がもろくなっているため、ちょっとした外圧で出血することがある。日常生活では目をこすったり、押したり、ぎゅっと閉じるなど、眼球に圧力をかけないよう注意したい。近視を助長するスマートフォンやゲーム機なども、できれば避けた方が無難だという。

 1カ月に1回は、自分で見え方をチェックするといい。カレンダーやマス目など、毎回決まった物を見て確認する。その際、片目ずつ行うのがポイントだ。異変を早期に発見でき、合併症の予防につながるという。

 強度近視の子どもには、将来の失明リスク回避のため眼底検査が勧められる。大野教授は「子どもの場合、小学校低学年であれば屈折度がマイナス4D超、高学年ならマイナス6D超が強度近視の目安です」と話し、検査でリスクが高いと判断された場合は、改めて専門の医療機関への受診を促す。

 「たかが近視と思いがちですが、病的近視にまで進めば失明に至ることもあります。眼底検査を含め、病的な兆候がないか確認することが大事です」と大野教授は強調している。

 強度近視を含め、近視に関する情報は日本近視学会のホームページが参考になる。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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