Dr.純子のメディカルサロン

葛藤と再生の物語 「午後8時の訪問者」

 映画は好きですが、なかなか見に行く時間がありません。ただ、以前雑誌に映画の評論を書いていたことがあるので、時々心理的なバックグラウンドがある映画の解説などの依頼を受けることがあります。今回も、4月8日に公開された映画へのコメントの依頼があり、この映画を見ることになりました。「午後8時の訪問者」です。

© LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINÉMA - VOO et Be tv - RTBF (Télévision belge)

 女性医師が主人公の映画です。診療時間を過ぎて鳴った診療所のドアベルに応えなかった後に起きた一つの殺人事件、という謎めいた設定に興味を持ちました。診療時間を過ぎた後というのは、医師にとって個人的な時間ではあります。ただドアベルを鳴らした相手が緊急の用件だったとすると、命に直接関わることもあるのです。さあ、どうなるのか。女性医師の心と今社会が抱える移民問題。心の葛藤と身体言語。さまざまな問題提起を感じる映画をご紹介しましょう。

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