成長に合わせた指導を=投球障害肩の予防など
◇まずは全身の使い方
小さい頃から専門競技に特化し、同じ動きばかりさせると、全身をバランス良く使えず、故障の原因になる。「近年は、専門競技の低年齢化によって体の使い方が画一的な競技者が増えていますが、幼い時の外遊びで全身の使い方を覚えることが大切です」と強調する鈴木さん。
成長発達過程では、8~12歳までは動作の習得が最も伸びる。中学生から持久力が向上し、高校生から筋力がアップする。小学生に大人が行うような高度なトレーニングを課しているケースもあるが、「子どもを大人のミニチュア版と考えてはいけません」と鈴木さんは訴える。
また、練習前のウオーミングアップはもちろんだが、試合後の整理体操やケアが不足すると、筋肉を硬くし、フォームの崩れや痛みの原因となる。将来的な故障のリスクも高まるため、クールダウンは非常に重要だ。
リトルリーグ肩による肩の痛みで病院を受診すると、投球を3~4週間禁止されることが多いが、試合を控えた子どもが痛みを我慢して練習を続けるケースが少なくない。
しかし、投球禁止の時期にも肩以外の身体機能のトレーニングを行えば、全身の使い方に習熟し、ステップアップにつながる。「その重要性を子どもたちに伝え、トレーニングや競技への意欲を高めることも親や指導者の重要な役割です」と、鈴木さんは話している。(メディカルトリビューン時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2017/10/17 12:56)