(フレイルを防ぐ・上)心や社会性の「虚弱」も =体の衰えだけではない
◇まちぐるみで予防を
高齢者の中には「痩せた体形=健康」だと思い込み、不必要な減量をする人も少なくないが、飯島教授は「筋肉を失い、身体機能が低下する『サルコペニア』を招きかねない」と警鐘を鳴らす。
サルコペニアは手足だけとは限らない。かんだり、飲み込んだりする口腔内の筋肉に及ぶこともあり、低栄養が新たなフレイルを招くという悪循環を起こす要因となる。
飯島教授は、社会性から始まるフレイルの「ドミノ倒し」を予防する簡便なチェック方法を考案した。市民サポーターが食、口腔、運動、社会性のフレイルチェックを行い、各項目の測定値や評価結果は、参加者自らが記入していく仕組みだ。 「自分で記入するのは、陥っているフレイルやその度合いに自ら気付き、改善への意欲につなげるためです」と飯島教授。フレイル度の強い人には、サポーターがかかりつけ医や歯科医、地域包括支援センターへの相談を促すという。
飯島教授は「フレイル予防には、あらゆる方面からの『総合的なまちづくり』が必要です。今後は栄養士や薬剤師とも連携して、底上げを図っていきたい」と意欲を見せている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
→〔フレイルを防ぐ・下〕市民主導のフレイルチェック=衰え自覚させ、改善意識誘う
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(2017/11/28 12:42)