ウオーキング、階段の上り下り
~女性のむくみ対策(金沢医科大病院 赤澤純代教授)~
体内に余分な水分がたまる「むくみ」。女性のむくみは女性ホルモンの影響も大きく、ライフステージによって症状は異なる。金沢医科大病院(石川県内灘町)女性総合医療センターの赤澤純代教授にセルフチェック法などを聞いた。

病気の可能性のあるむくみ
◇舌でチェック
排卵直後から卵巣で作られる女性ホルモンの一つ、プロゲステロン(黄体ホルモン)は、妊娠に備えて体内に水分を蓄える作用があり、生理前は体がむくみやすい。一過性のものが多いが、「次の月経までの期間は便秘もしやすく、濃い味のものを食べたくなります。塩分を薄めるために体は水分をため込もうとし、むくみの悪循環に陥りやすくなる」。
ホルモンバランスが変わる妊婦や、更年期、閉経後の女性はよりむくみが生じやすいという。「閉経後は、女性ホルモンの一つ、エストロゲン(卵胞ホルモン)の低下で血管内皮細胞の機能が低下し、血管の老化が起こるとむくみやすくなります」
チェック法としては、舌でのセルフチェックがある。舌を出した際に、歯形がついていればむくみがあるサインだ。
むくみは足や顔、まぶたに出やすい。足は長時間同じ姿勢でいると、むくみやすい。ウオーキングや階段の上り下りをすると、ふくらはぎで滞っている血流が押し上げられ、むくみ解消になる。「デスクワーク中も1時間に1度は立ち上がり、かかとの上げ下ろしをしてください」
むくみ防止に有効な着圧靴下については、「小さ過ぎると逆効果なので、自分のサイズより一つ大きい物を選びましょう。むくみが気になるときは膝裏のつぼを押し、足首から膝の方向に、血液を心臓に戻すイメージで、ふくらはぎが柔らかくなるまでマッサージしてください」。
食生活は日頃から減塩を心掛ける。腎臓疾患がなければ、バナナやアボカドなど余分な塩分を排出する働きがあるカリウムを多く含む食品を積極的に取るのもよい。
むくみの原因が病気かどうかを判断する目安として、足のすねの真ん中を約10秒強く指で圧迫する方法がある。圧痕(くぼみ)が深く残る場合は、心臓や腎臓、肝臓の病気の可能性がある。残らなくても、甲状腺機能低下の可能性はある。赤澤教授は「むくみが続く場合は医療機関を受診しましょう」と助言する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2025/06/16 05:00)
【関連記事】