治療・予防

早期治療で視力の維持や改善も=ゆがむ、ぼやける―加齢黄斑変性

 物がゆがんで見えたり、視野の中心が暗くて見えにくくなったりする加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)は、高齢者を中心に年々、患者数が増加している。東京女子医科大学病院(東京都新宿区)眼科の飯田知弘(いいだ・ともひろ)教授は「眼鏡などを使っても視力が0.1以下の『社会的失明』になるリスクの高い病気ですが、早期に治療を開始すれば視力の維持だけでなく、改善も望めます」と話す。

 ◇喫煙や太陽光も要因

 網膜の中心にある直径6ミリほどの黄斑に障害が起こるのが加齢黄斑変性だ。網膜が徐々に萎縮していく「萎縮型」と、網膜の外側に異常な血管が作られ、血液成分などが漏れてむくむ「滲出(しんしゅつ)型」の二つの病型があり、日本人患者の9割以上は「滲出型」。

 初期には物がゆがんで見え、進行すると中心部が暗くぼやけるようになる。障害が黄斑の真ん中の中心窩(か)という部分に及ぶと、視力は急激に低下する。飯田教授によると、両目同時に発症することは少なく、初期には正常な目で症状をカバーしてしまうため、異常に気付きにくいという。

 病名通り加齢が主な要因だが、喫煙、太陽光の紫や青の光なども影響すると考えられている。予防にはまず、たばこを控え、外出時にはサングラスを掛けること。ビタミンCやE、ルテインといった抗酸化物質を多く含むホウレンソウやサプリメントのほか、ドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富な青魚の摂取を飯田教授は勧めている。

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