Dr.純子のメディカルサロン

「人間力」を高め、世界を相手にする医師に
藤川眞理子・市原保健所所長

 海原 現在のお仕事についてお聞かせください。

 藤川 現在は千葉県の市原保健所で所長をしています。2005年に富山から自分の実家のある東京に戻って都内の保健所に勤務。16年9月から千葉県に移りました。市原保健所の職員は40人余り。保健所は健康危機管理に関する地域の拠点です。

 保健所の業務は、精神保健、母子保健の一部、健康づくり事業、医療監視などの医務、薬務、中毒や麻しん、インフルエンザ、新型インフルエンザ等の感染症対策、結核予防事業、HIV・肝炎梅毒の検査、食品衛生、狂犬病予防、生活衛生など多岐にわたっています。これらの業務を、保健師、薬剤師、獣医師、管理栄養士、放射線技師、検査技師、精神保健福祉相談員などの専門職と事務職が日々、粛々と遂行しています。

 職員は優秀な人が多く、新人も1年で独り立ちできるように鍛えられていきます。保健所長は感染症、精神保健などの対応についての最終的な判断を求められ、医師会長、基幹病院の院長らが参加する地域医療構想検討会議等では座長を務めるので地域保健医療全般を俯瞰(ふかん)できる能力が求められます。

 私の専門分野である糖尿病に関連した地域職域連携事業や、市原市糖尿病性腎症重症化予防推進協議会は医師会の先生方が参加するため、会合が夜に開かれます。私は夫が亡くなり息子2人も社会人になって気楽な身なので、地域の医療機関の調整役として夜遅くまで奮闘できます。疲れよりも充実感を味わっています。


 海原 体調管理で気を配られていることなどを教えてください。

 藤川 気楽な「おひとりさま」であることをいいことに慢性的な睡眠不足である上に、運動の必要性を説く身でありながら運動不足であるなど不養生そのもので、息子たちからはセルフケアができていないと非難ごうごうです。

 週末には東京の自宅に戻ります。外食も大好き。千葉に来る1年前まで女性専用の水泳教室に通い、クロールで何とか25メートル泳げるようになったのですが、今は通勤時のウオーキングくらいで恥ずかしい限りです。

 ストレス解消は職員とカラオケに行くこと。さらに英語学習と称して古い映画を見たり、ストレスが蓄積したと実感する時にはジャズやクラシックのコンサート、歌舞伎、狂言、文楽、能、絵画展に出掛けたり、ジャンルを問わず「非日常」を楽しむことを心掛けています。

 買い物も気分転換になりますが、物が捨てられないので通販番組やバーゲンの案内には近寄らないようにしています。

 取りとめないおしゃべりに付き合ってくれる医師の友人、中学・高校時代からの友達も体調管理に欠かせない存在(?)でしょうか。感謝しています。


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