医学生こーたのひよっ子クリニック

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第12回 てってって、てりやきバーガーください

「てってって、てりやきバーガーください」

私は軽度ではあるが、吃音(きつおん)という個性を持っている。吃音とは、言葉につまってしまう、スムーズに発話ができない、言葉そのものを発することができない、という状態のことで、全人口の1%程度が吃音保持者であると言われている。なかなか1音目が出ない難発型、「さいふ」が「さーさーいふ」になる伸発型、「おはようございます」が「おっおっおはようございます」になる連発型など、さまざまな型が存在する。


ゆっくりどーぞ
私の吃音は、大勢でスピーチする時や意見を発言する時などには流ちょうに話せるが、飲食店で注文するなどの1対1の会話の時に「たちつてと」から始まる言葉が出しづらく、音を連発してしまうこともあるという、難発型と連発型の合併だ。「たちつてと」から始まる言葉を人に伝えなくてはならない時は、別の言葉で言い換えたり、文頭に「えーっと」などをつけたりすることでしのいでいる。

今は個性として受け入れているが、昔は悩んだこともあった。「またうまくしゃべることができなかったらどうしよう」「変な人だと思われてしまわないかな」などと考えているうちに、自己嫌悪に陥ってしまうのだ。そして、悩めば悩むほど言葉が出づらくなるということがとてもつらかった。

吃音は、明確な治し方が確立されているとは言えず、専門の医師やセラピストも不足している。言語聴覚士や医師などの資格を持たない人が、科学的根拠のない吃音に対する訓練を行っている矯正所も存在し、吃音はなかなか解決しない問題となってしまっている。

現在、吃音などの言語の問題で悩んでいる人はたくさんいる。私の願いは一つだ。言葉に詰まっている人がいたらこの話を思い出して、ゆっくり話を聞くなどの好意的な対応をお願いしたい。なぜなら、吃音者は人に受容してもらうことで、自分を受け入れていくことが可能になり、気持ちの面でかなり楽になるからだ。そして私も将来は医師として吃音を勉強し、困っている吃音の人々の助けになりたいと考えている。

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