治療・予防

若い人に発症
神経系の難病「多発性硬化症」

 ▽似た病気に注意

 多発性硬化症の根本的な原因はまだ分かってないが、免疫が誤って自分自身を異物と見なして攻撃する自己免疫疾患の一つではないかと考えられている。「これまでは治療法のない難病といわれてきました。しかし、研究が進んでいろいろな治療薬が開発されてきており、さらなる再発は防止できるようになってきています」と山村医師。

 一方、多発性硬化症と似た症状が表れる病気として「視神経脊髄炎」がある。以前は多発性硬化症の一種と考えられてきたが、自分の体を攻撃する「自己抗体」の検査手法が広がり、両者をはっきりと区別することができるようになった。

 「抗アクアポリン4」という自己抗体を持っている視神経脊髄炎の患者は、多発性硬化症の治療薬を使うと症状が悪化することもあるという。山村医師は「症状だけで診断するのは難しいので、かかりつけ医で治療が思うように進まない場合は早めに神経内科を受診してほしい」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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