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おねしょと夜尿症の違い
薬などでしっかり治療

 夜寝ている間に排尿してしまう「おねしょ」は成長するにつれ回数が減り、自然に無くなっていく。しかし、5歳を過ぎても続くと「夜尿症」と診断される。東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)小児科の平野大志医師は「5歳児の5人に1人が夜尿症といわれますが、受診率は2、3割で、治療すべき病気ということがあまり知られていません」と話す。

 夜尿症は治る病気

夜尿症は積極的に治療を
 尿は昼間でも寝ている間でも同じように作られる。しかし、寝ている間は脳から分泌される「抗利尿ホルモン」で尿量が減るため、ぼうこうにためておくことができる。しかし、子どもは抗利尿ホルモンの働きが弱く、ぼうこうも小さいため、夜に漏らしてしまうことが多い。

 おねしょは5歳までに約80%が無くなる。しかし、5歳以上で1カ月に1回以上漏らすことが3カ月続く場合は治療が必要だ。平野医師は「夜尿症はれっきとした病気です。親の育て方に問題があるわけでも、お子さんのせいでもありません」と強調する。

 しかし、夜尿症は子どもの自尊心を傷つけ、物事に取り組む積極性を失わせるなど、心理的な影響は少なくない。「治療すれば必ず夜尿症は治ります。積極的に取り組めば、その期間を短くすることも可能です」

 ▽アラーム療法が効果

 夜尿症は、寝る2時間前から飲水を控える、寝る前はトイレに行くといった生活習慣の改善と、夜間と朝の尿量を記録する「行動療法」によって2、3割は改善する。また、6歳以上になると抗利尿ホルモンと同じ働きをする薬や、ぼうこうの過活動を改善する薬などを使う場合もある。

 「それでも改善しなければ漏らした尿で下着がぬれるとアラーム音が鳴る装置を使った『アラーム療法』を試します。アラーム療法をすると睡眠中ぼうこうにためられる尿量が増えることが分かっており、劇的に効果を上げるケースも少なくありません」と平野医師。ただ、大きなアラーム音が近所迷惑になったり、アラームのたびトイレに連れて行く親の負担が大きかったりして、途中で断念しやすい。

 最もしてはいけないのは、ゲームの禁止といった罰を与えることだ。平野医師は「子どもの良かったこと、できたことを褒め、治療意欲を高めてあげることが大切です。保護者もつらい気持ちを抱えていると思いますので、早いうちに治療を始め、根気よく続けましょう」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)


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