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「ばて」の連鎖断ち切る
季節に対応する体づくり

 夏は、暑気と冷房による冷えで体温の維持に多くのエネルギーが使われてしまい、夏ばてを起こす人が多い。さらに最近では、秋や冬になってもばてた状態が続く“年中ばて”の人が増えているという。東京有明医療大学(東京都江東区)保健医療学部鍼灸(しんきゅう)学科の川嶋朗教授に「ばて」の連鎖を防ぐ生活改善のポイントを聞いた。

 ▽若者に多い「秋冬ばて」

入浴などで冷えの改善を
 夏に冷房が効いた部屋で長く過ごしたり、冷たい飲食物を多く取ったりして体が冷え過ぎると、体温の維持機能がうまく働かなくなり夏以降も疲れが残りがちだ。さらに秋には、季節性の気圧の変化で眠気やだるさが起きやすい。この夏ばてと秋の「季節負け」が重なり、「冬ばて」まで続く「ばての連鎖」に陥る人がいる。

 「季節や温度の変化に対応するには体力が必要ですが、最近では体力があるはずの若年層に秋ばてと冬ばてが増えています」と川嶋教授。家電製品などの普及で快適な生活環境が当たり前になったため、季節の変化に体が対応できず、知らず知らずのうちに体が悲鳴を上げている人も少なくないという。

 ▽冷え解消と体力アップ

 ばての連鎖を断ち切るには、対症療法と根本的な対策の両方が必要だ。川嶋教授は「完全に体がばてている状態なら冷たいものを取らないことが大切です。それでも駄目なら、体を温める根菜類などを積極的に取り、エネルギー消費は最小限に抑えることが大切です」と話す。衣服は体の中心となるおなか、血流の多い太ももや二の腕、動脈が皮膚近くにある首、手首、足首を冷やさないものを選びたい。

 自律神経を整えるためには早寝早起き、十分な睡眠が欠かせない。「40度以下のお風呂に肩まで漬かることで、冷えを改善するだけではなく、昼間、(活動を促す)交感神経が優位になることで抑えられている、(心身をリラックスさせる)副交感神経の働きを高めます。40度以上では熱くて汗をかき目も覚めてしまいますが、40度以下なら適度に体が疲れて睡眠に入りやすくなります」

 こうした対症療法を続け、少し余裕が出てきたら運動で体力の向上を目指す。こうして本来体に備わっている環境への適応機能を回復させることが根本的な対策になる。川嶋教授は「運動と言っても大げさなものは必要ありません。爪先立ちで炊事をする、エレベーターではなく階段を使うといった日々の習慣が冷えを解消し、ばてにくい体づくりとなり、将来の元気と長生きにつながります」とアドバイスしている。
(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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