ハヤミミDr.純子のメディカルサロン

第25回 ミスの指摘をストレスと感じるとき

 「仕事のミスを指摘されて落ち込んだ」「やる気がなくなった」という悩みをしばしば聞きます。その一方で、「部下にちょっと間違いを指摘すると、すぐへこむ」という上司の言葉を聞くこともよくあります。上司と部下の、このすれ違い。放置すると、職場の機能不全につながります。なぜ、こうしたことが起きるのでしょうか。考えてみたいと思います。

 ◇ミスの指摘、何が問題?

 「指摘されて落ち込んだ」という人に尋ねると、9割の人は「それはミスでした」と、自分がミスをしたこと自体は自覚しています。だから、指摘されるのは当然のこととして、受け入れているはずなのです。では、何が問題かというと、「言い方で傷ついた」という答えが返ってきます。ミスをして、「まずい」と思っているところに、感情的な指摘をされることで、やる気をなくすというわけです。

写真はイメージ

 ある企業でメンタル不調が多発する部署がありました。不調者に話を聞くと、みな同じように特定の1人の上司が怖い、同じ部屋にいるだけで嫌だ、と言うのです。その上司にミスを指摘されると、「もう勘弁してください」という気持ちになるのだそうです。

 まず指摘をするとき、声が大きくなる。周りに響くような声でしゃべり、周りにいる人間も怖くなる。指摘の時間が長い。そういうことでした。部下は、ミスをしないようにと気を使います。そのために、かなりびくびくして、これがまたストレスになると言うのです。ミスはミスですが、その指摘の仕方に問題があるという典型的なケースです。

 上司にしてみれば、ミスをされて、「これはまずい」と感じます。すると、思わず普段より声が大きくなり、早口になり、これが部下への威圧感を増します。怒りを感じて思わず感情的になり、トランプ米大統領のようにボディーアクションまで入ると、さらに威圧感は増します。

 こうした態度の変化とともに、指摘が部下のその他のミスや仕事の進め方にまで及び始めると、部下は自己肯定感を失います。「君はいつもそうだ」「何度もミスをする」「まじめにやっているのか」「期待を裏切られた」など、部下の人格を否定するような言葉をつい感情的に発する上司はNGです。

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