治療・予防

子どもに多い急性中耳炎
風邪の季節は要注意

 乳幼児が風邪を引くと急性中耳炎を合併しやすい。風邪を引きやすい冬は一層注意が必要だ。耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院(大阪府和泉市)の老木浩之理事長に急性中耳炎の治療法や注意点などについて話を聞いた。

鼻汁や鼻詰まりを軽く見ないで

 ▽耳に痛み、詰まり感

 急性中耳炎とは、鼓膜の奥にある中耳部分の粘膜が急性の炎症を起こしている状態のことだ。中耳は耳管という器官で鼻とつながっていて、細菌やウイルスが鼻から耳管を通って中耳に入ることで炎症が起こる。急性中耳炎になると、発熱や耳の痛み、鼓膜の腫れ、耳が詰まったような感覚、たまったうみが鼓膜を破ってあふれ出る耳垂れなどが起こる。

 老木理事長は「乳幼児は耳管が大人に比べて短く、風邪の原因となるウイルスなどが入り込みやすいため、中耳炎を合併することが多いのです。風邪でなくても鼻汁が出ていたり、鼻が詰まっていたりすると、菌が中耳に入りやすくなります」と注意を促す。

 ▽再受診も重要

 急性中耳炎は、軽症であれば2~3日で自然に治る。痛みや腫れがある場合は痛み止めや抗菌薬を服用するが、1週間程度で痛みも鼓膜の腫れも引く。ただ、うみがたまって耳が強く痛む場合には、うみを出すために鼓膜を切開しなければならなくなることもある。

 気を付けたいのは、発熱や痛みが治まっても、液体が中耳にたまる「滲出(しんしゅつ)性中耳炎」になることだ。中耳に液体がたまると耳の不快感や聞こえにくくなるなどの症状が表れ、治療に数カ月以上かかることも珍しくない。

 急性中耳炎を繰り返すと慢性中耳炎に移行することがある。そのため急性中耳炎の症状が治まってから1~2週間後にもう一度耳鼻科を受診し、経過を確認する必要がある。軽症で自然に治っても再診は必要だ。老木理事長は「乳幼児に鼻汁や鼻詰まりがあって体調も優れないときに、不機嫌な状態が続くとか、耳に手を当てるといった様子が見られれば中耳炎を疑い、早めに受診してほしい」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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