2024/12/18 05:00
冬の気分低下どう乗り切る?
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朝夕で気温の差が大きく、何となく調子が悪いという方の声を聞きます。疲労感が続く、睡眠の質が良くない、朝起きた時にだるい、胃腸の調子が良くないなど体調不良で、気分が低下したりイライラしたりするなど精神的にも影響を受けている方もいます。季節が変化するときには体調管理が大事ですが、今年は特に暑さが長く続いた後、気温の乱高下が突然起きているため対策が不可欠です。簡単にできる対策を考えます。
◇自律神経のバランスの乱れによる疲労感
気温が変化しても私たちの体温が一定に保たれているのは自律神経の働きによるものです。自律神経は意思とは関係なく生命を維持するために働いている神経で、循環・消化・代謝・体温調整などをコントロールしています。全身の活動を支配しているのが自律神経で、気温の変化の中でも一定に体温が保たれているのは自律神経の働きによるものです。気温の乱高下の中で自律神経が頑張って働いているということが分かります。自律神経はいわゆる戦うモードの交感神経とリラックスモードの副交感神経があり、交感神経は血圧を上昇させて心臓の拍出力を高め、消化吸収を抑制します。副交感神経は、血管を拡張させ、消化吸収を促進します。交感神経と副交感神経はうまくバランスを取ることが大事で、昼間は通常、交感神経優位、夜は副交感神経優位となっています。このバランスが崩れると全身の不調が起こります。
夏の間、寝苦しくて夜遅くまで起きているような状態で生活リズムが乱れた場合などはバランスの崩れが起こりやすくなります。自律神経のバランスが崩れると、消化器症状として、おなかが張る・食欲不振・下痢・便秘のほか、肩こり・頭痛・めまい・耳鳴り・倦怠(けんたい)感・疲労感が起こり、精神的な症状として、集中力の低下・うつ気分・やる気がでないなどの症状が表れます。
今の季節に感じている不調は、多くの場合、自律神経のバランスの崩れが背景にあると思われますので、その対策として、まず質の良い睡眠を確保することが必要です。
体調不良の対策として良質の睡眠を取ることが必要(イメージ)
◇良質の睡眠を確保して不調から脱出を
朝太陽の光を浴びる:朝太陽の光を浴びると脳の松果体からメラトニンが分泌され、14~16時間後に睡眠を誘導します。朝は窓を開けて太陽の光を浴びてください。起床時間を一定にすることで生活リズムがキープでき、これが質の良い睡眠につながります。
ブルーライトに注意:ブルーライトは覚醒作用を高めて、睡眠を誘導するホルモンのメラトニンを抑制するので、寝つきが悪くなり睡眠の質が低下します。夜寝る前の最低1時間はスマホなどの使用はやめることが大事です。また、ブルーライトカットの眼鏡の使用もブルーライトの影響を軽減します。
寝る前の食事・カフェイン飲料・たばこ・アルコール飲料はやめる:いずれも睡眠の質を低下させます。寝る前2時間は避けてほしいものです。夕食ができなくて遅くなる場合は夕方に炭水化物、遅い時間は豆腐やチーズなどのたんぱく質を取るようにしてはいかがでしょう。
昼間の運動はおすすめ:昼間、身体を動かすと中途覚醒が減り、睡眠の質が向上するとされています。寝る直前の激しい運動はかえって覚醒させてしまいますが、昼間あまり運動ができない場合はストレッチで身体を緩めると睡眠の質を高めることができます。
ハーブティーなどの温かい飲み物はおすすめ:ラベンダーやカモミールなどのカフェインフリーのハーブティーは鼻粘膜の嗅細胞が香りをキャッチして自律神経のコントロールセンターの大脳辺縁系を刺激してリラックス効果があります。
入浴や足浴:ぬるめのお風呂にゆっくり入るとリラックスできて眠りに入りやすくなります。また、お風呂に入る時間がないという場合は、足浴用のバケツ型の容器にお湯を入れて15分程度足元を温めるとリラックスできます。
鼻用ジェル:睡眠中に鼻閉が起きると息苦しくなり睡眠の質が低下し、中途覚醒しやすくなります。これからの季節、寝室の湿度が低下して鼻詰まりが起きて睡眠の質が低下する方がいます。鼻腔(びくう)を湿潤に保つサイナスジェルなどを使うと乾燥を防ぐことができます。
まずは睡眠の質を良くしてゆっくり寝られる日をつくると、体調は少しずつ回復するはずです。体調が悪くなると、「もう年かな」と不安になり、そのことばかり考えていると不調がひどくなる場合があります。良い睡眠を確保して自律神経のバランスを整えることが、この季節の不調からの脱出に役立つと思います。(了)
(2024/10/30 05:00)
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