一流に学ぶ 心臓カテーテルのトップランナー―三角和雄氏

(第12回)
必要なのは腕「ラーメン店と同じ」
患者へ情報提供、携帯番号も

 「歩いていて、胸が痛くなるようなことがあったら、すぐに病院に来てください」。2017年9月初旬、三角氏はマイクを片手に、心臓の病気とカテーテル治療の基礎知識について、画像を示しながら熱く語っていた。毎週土曜日、20年間ほぼ休みなく医療講演会を開催している。

 院長を務める千葉県松戸市の千葉西総合病院の講堂に集まった聴衆は108人。大半は近隣住民だが、病院が用意したマイクロバスで2つ隣の自治体から来たグループもいた。受け付けで「お荷物ですが」と配られたティッシュボックスには、三角氏と心臓血管外科の医師の携帯電話番号が印刷されている。しかも「24時間、365日直接つながります」と書いてある。

 講演会で三角氏は「リビングでテレビを見ているときに胸が痛くなったら、すぐに電話してください」と言う。「ただし、緊急の場合だけに限らせていただき、人生相談はご遠慮ください」と補足すると、会場からは笑いがこぼれた。

 冷蔵庫に張るマグネットと財布に入れるカードタイプもあり、どこにいても異変があれば、すぐに連絡できるような仕組みだ。ただでさえ、深夜まで患者の治療に当たらねばならない多忙な毎日なのに、三角氏はなぜここまでするのだろう。自分の首を絞めるだけではないのか。

 「患者さんってね、ただふんぞり返って待っていれば来るものじゃないのです。病気のことを広く理解していただき、必要な人に治療に来てもらうためには、コンスタントに情報提供を続けていくことが大事です」

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