一流に学ぶ 心臓カテーテルのトップランナー―三角和雄氏

(第13回)
患者教育もライフワーク
スピーディーな対応心掛ける

 「患者さんを集めるためだけではなく、どうすれば患者さんが自分の健康を維持できるのか知ってほしい。本気で話せば、きっと伝わると思うんです」。三角氏は毎週続ける地域の人たちのための医療講演会で、具体的な症例を通じ、少しでも病気を身近に感じてもらえるよう工夫している。

 2017年9月初旬の講演会では、通勤中に早足で歩くと胸の真ん中に圧迫感を感じる59歳男性の症例を紹介。2カ月半ほど前から症状があるという。1週間前からは普通のスピードで歩いても胸が痛み、2日前からは歩いていると人に抜かれ、苦しくなって途中で立てなくなり、かかりつけ医を受診した。

 聴診、心電図、腹部レントゲン、心臓超音波検査を受けた結果、異常は見つからず、心配になって、三角氏が院長を務める千葉西総合病院を受診した。体の中を立体的に見ることができる256列マルチスライスコンピューター断層撮影(CT)検査の結果、冠状動脈の中でも最も重要な血管に、コレステロールがたまって硬くなり、詰まりかけていることが分かった。患者はカテーテル治療をすぐに受け、30分で治療が完了。翌日には何もなかったかのように元気に退院したという。

 「当院では、患者さんは不調を感じたら予約なしですぐ来院。その日のうちに検査、診断を受け、異常が見つかれば当日中に治療できるようにしています」。胸が痛いという症状があっても患者は通常、検査の予約、病変が見つかったらカテーテルの予約などをせねばならない。通常の病院では治療までに数週間~1カ月以上かかることが多く、よほどの救急患者でない限り、これほどスピーディーな対応は全国でもまれだ。

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