一流の流儀 「追い込みの女王」AYA クロスフィットトレーナー

(第2回)「追い込みの女王」への道
クロスフィットとの出合い

   

 ◇マンネリ乗り越える

 この時期、彼女はフィットネストレーナーとしてマンネリに陥り、壁にぶつかっていた。エアロビクスや水泳など一般的なメニューを教えていたが、「ある程度の枠の中でステップや種目を組み合わせて、楽しませながら、1クールでそれらのステップを使った動きを完成させる。でも、一通り教わった時にお客さまは満足して飽きてしまうことも多い。体のために運動はずっと続けていただく方が良いのです。楽しませて、やめさせないようにすることがつらくなっていました」と振り返る。それが、「クロスフィットに飛び込んだことで、生徒を楽しませる前に体を変えてあげる方がトレーナーとして大切だと気付いたのです」と言う。
 クロスフィットは、運動能力や体調などの状況に合わせたメニューがいろいろあり、組み合わせも回数や強度を含めれば無限大だ。教える方も教わる方も飽きることがない。懸垂も基本的な動きの一つだが、それも回数やセット数を増減させたり、組み合わせを変えたりすることで、全く違うトレーニングに思えてくる。
 その結果、体つきが変わるのはもちろんだが、できなかったことができるようになるうれしさに引きつけられるだろうと、AYAさんは話す。「3カ月前に上がらなかったウエートが、今、普通に上げられる。パワーが生まれて、スタミナも付いてくるのです」。今はきついワークアウトを課しても、生徒が自分に底力が付いたことに気が付き、さらについて来てくれる。それを素直に喜ぶ毎日だ。(ジャーナリスト・横井弘海)
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