女性アスリート健康支援委員会
中高生のスポーツ女子が健康を守るための基礎知識2
成長期の中高生は食事から必要なエネルギーと栄養素をきちんととる必要があります。ところが、スポーツ女子の場合、「強くなりたい」と考え、体重や体形を気にして食事がおろそかになったり、運動量に食事量が追いつかなかったりする選手が珍しくありません。「ご飯を食べない」といった食行動の乱れも目立ちます。
食べること自体に罪悪感を持つ「拒食」状態になったり、その反動で「無茶食い」を止められなくなったりしたら、「摂食障害」と呼ばれる病気で、心身にさまざまな問題が生じます。大切なのは日頃から運動と食事のバランスに注意し、体をエネルギー不足にしないこと。それが貧血や無月経、骨粗しょう症などの予防や改善にも直結します。栄養学が専門の小清水孝子・大妻女子大教授と精神科医の西園マーハ文・明治学院大教授に、「食」の要注意サインを聞きました。(5回連載)
小清水 孝子先生(こしみず・たかこ) 日本女子体育大大学院スポーツ科学専攻修了。国立スポーツ科学センター研究員などを務め、新体操や自転車のナショナルチームの栄養サポートにも携わる。2015年から母校の大妻女子大教授。公認スポーツ栄養士。
西園マーハ文先生(にしぞのまーは・あや) 九州大学医学部卒。英国への留学経験もある精神科医で、東京都精神医学総合研究所勤務、白梅学園大教授などを経て、2019年4月から明治学院大教授。摂食障害の専門家で、一般社団法人日本摂食障害協会理事。