「医」の最前線 患者会は「今」
水補給が生命線の難病「腎性尿崩症」
医師の認識不足が死を招く 長男の急逝を契機に患者会
熊本地震で設けられた避難所(熊本県西原村の河原小学、2016年05月04日)=イメージ、本文と写真は関係がありません
◇熊本地震の教訓
「何が必要ですか」―。熊本地震が発生した際、被災地に住む会員に電話を入れたのですが、福岡県の会員からも支援に向けた連絡が入りました。この時、「おしっこに何度も行かなければならないのにトイレがあまりにも汚い。配られたのはペットボトル1本ずつの水です」「逃げる時に6リットルの水しか持っていません」などと訴えられました。
生命維持のために水の確保は緊急課題です。ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会の熊本県メンバーに連絡して調達を願いしました。ウエットティッシュなどの必需品は、熊本と福岡の会員が直接連絡を取り合って届けていただきました。
熊本地震では会員同士に加え、さまざまな団体と横につながることの重要性を再確認しました。
◇次男は無事に手術
長男が亡くなってから8年後、同じく腎性尿崩症を患っている次男が22歳の時、右側頭葉てんかんのため、海馬摘出手術を受けることなりました。
この時、長男の担当医で死にも立ち会った医師を訪ねると、医師は長男のことをよく覚えていました。次男が手術を受ける病院の麻酔医に直接アドバイスしていただき、8時間におよぶ手術は脱水症状などを起こすことなく、無事に終わりました。
友の会を立ち上げてから数名の腎性尿崩症専門医にご協力いただいています。次男の手術日も予期せぬ事態に備えてスタンバイしてくださいました。
長男の死を契機に発足した友の会の活動が、一人でも多くの患者の助けになれば、と願っています。(腎性尿崩症友の会事務局 神野啓子)
腎性尿崩症友の会
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事務局 神野 啓子(じんの・けいこ)
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(2019/11/24 09:00)