石井直樹 医師 (いしいなおき)

東京品川病院

東京都品川区東大井6-3-22

  • 消化器内科
  • 部長

消化器科 内視鏡科 がん

専門

大腸憩室出血等消化管出血、消化器がんの内視鏡治療

石井直樹

専門は消化管全般の内視鏡治療である。憩室の出血は年間70~80例程手がけている。石井医師らの研究チームは2003年、アメリカのマサチューセッツ州立大学で開発され普及しなかったバンドを使用する治療法を改良し2009年より積極的に実施。米国の内視鏡学会誌に論文を発表し、世界的にも効果の高い治療法として認められた。現在はたくさんの施設で実施されるようなった。
2018年4月より東京品川病院消化器内科で診察を行っている。

診療内容

大腸憩室出血(だいちょうけいしつしゅっけつ)は、救急外来を訪れる下腹部消化管出血の原因としてはかなりポピュラーな疾患だ。とりわけ高齢者においては、その頻度は20%(日本大腸肛門病学会公式サイトより)にも達しているという。
「患者さんは近年増えてきており、原因は食事の欧米化(食物繊維の摂取低下)と高齢化だと考えられています。高齢者だけでなく、若い人も多いですね」(石井直樹医師)
アメリカの内視鏡学会のオフィシャルサイトに掲載された石井医師の論文は、今や消化管出血に関する論文では世界で5番目から6番目にアクセスされているという。その画期的な治療法について石井医師は次のように説明する。
「大腸憩室というのは穴が開いているように見えて、そこから出血するわけです。我々が導入した方法は、その穴自体に、周囲の正常な粘膜ごと輪ゴムをかけるやり方です。すると穴は大腸の方に飛び出してきて、出血していた血管と正常な粘膜とが輪ゴムでぎゅっと縛られ、出血が止まります。この輪ゴムは、もともとは食道静脈瘤という太い血管からの出血を止めるための器具で、非常にしっかりしており、締める力も強力です。また縛り上げた憩室の部分(血豆のような感じ)は、時間が経つと自然にポロッと取れてしまいます」(石井医師)
実はこの治療法、最初に試みたのは2003年、アメリカのマサチューセッツの医師だったのだが、欧米では内視鏡の技術が日本ほど高くなかった等の理由で、世に広まることはなかった。そんな“お蔵入り”となっていた治療法に、光りを当てたのが石井医師らのチームだ。
「従来のクリップで挟む方法では、止血できず手術が必要になるなど悔しい思いをしていました。日本人の場合、ショックを起こしたり、大量に出血を起こす右の大腸に憩室ができる割合が高く、新たな治療方法が求められていたわけです。そうした状況を打ち破る方法はないかと探していたなかで、今の治療法を見つけ出しました」(石井医師)
新しい治療法が導入される前は、5人に一人は内視鏡では対応できず、手術や血管内治療になっていたという。しかし今では、ほとんどの患者を安全かつ確実で低侵襲な内視鏡治療で治療することが可能になった。
そんな石井医師の治療の根底にあるのは「使命感」。「がんの治療のみならず、救急治療と言う使命を負っているので、困っている患者さんをよくして帰したいという使命感を持っています」(石井医師)
こうした気持ちは、画期的な治療法を探し当てた原動力としても活かされているに違いない。

医師プロフィール

1996年 防衛医科大学校 卒業。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院で研修
2002年 亀田総合病院、消化器内科
2005年 聖路加国際病院、消化器内科
2012年 聖路加国際病院、消化器内科医長
2017年4月 古河病院 消化器内科
2018年3月、Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health MPHコース(iHope)
2018年4月 東京品川病院 消化器内科部長
横浜市立大学医学部医学科同窓会 倶進会