高橋慶一 医師 (たかはしけいいち)

東京都立駒込病院

東京都文京区本駒込3-18-22

  • 大腸外科
  • 部長

外科 消化器外科 がん

専門

大腸外科、大腸がんの集学的治療、在宅医療

高橋慶一

都立駒込病院で30年余、大腸がんの開腹手術を数多く行ってきた。2005年より「大腸癌治療ガイドライン」編集委員を務め、大腸がんの最新治療に関しても詳しい。高橋慶一医師のフィールドは大腸外科だけにとどまらず、重粒子線治療に関しても見識が深く、放射線医学総合研究所とも連絡を密にとりながら個々の患者に合った診療を実施する。さらに在宅医療にも力を入れ、大腸がんの集学的治療をめざしている。
同院では、遺伝性大腸がんの疾患に対して、カウンセリング外来を開設している。高橋医師は、大腸がん発見のメカニズムに関しても研究を行っている。

診療内容

高橋慶一医師は、卒業以来一貫してがん・感染症センター都立駒込病院で診療を行ってきた。同院は「ここで手術できなければ、他の病院でも無理」と言われてきたほど、大腸がん手術で知られる病院の1つであり、現在も他院で手術困難と言われた患者が多く訪れている。

同院大腸外科の特色は、集学的治療を目指す点にある。外科医はとかく手術だけを担当すると思われやすいが、がんを取ったら終わりでは済まない、と高橋医師は話す。次のステップの治療をどのように選択すればいいかを考えながら、再発がんの外科的な治療を含め、時には自ら抗がん剤の治療も行うことがある。「昔と違い、一人の医師の独断で治療方針を決める時代ではなくなりました。手術でがんを切除できると思っても、他の医師の意見を聞きながら、どのようなアプローチがいいかを考えることが必須の時代です。当院はこの点において、バランスのとれたグループ基盤ができています。外科として、集学的治療を実現したいと努めています」
高橋医師は、日常の診療に加え、研究にも熱心に取り組む。同院の遺伝性大腸がんカウンセリング外来では、高橋医師を含む研究グループが大腸がん発見のメカニズムに関して遺伝子解析を行い、治療方針の決定に役立てる研究を実施。さらに、大腸がんの早期発見のため、尿検体から大腸がんを発見する研究にも2000年から関わってきた。そのほかにも、大腸がん手術の質の向上、直腸がん手術における自律神経温存や肛門温存手術等、機能温存と根治性の両立を目指した直腸がん手術を行い、海外から多くの医師が見学に訪れるという。大腸がん肝転移に関しては、全国レベルのデータベースを作成し、大腸がん肝転移に対する治療方法開発に役立てられるような研究にも参画している。

外科医が深く関わることが少ない重粒子線治療にも、高橋医師は精通している。放射線医学総合研究所と行き来があり、同研究所に患者を紹介するのはもちろんのこと、局所再発だが手術が可能な患者に関しては反対に紹介を受けて手術を行うこともある。

在宅医療へのかかわりが深いことも、高橋医師ならではのポイントだ。以前ほど訪問診療まで手が回らなくなったというが、現在も日本在宅医療学会の理事であり、訪問診療や病院間の橋渡しを続けている。

手術だけに長けた外科医が名医ではない、治療に関わる全員が完全なスペシャリストになってしまうことは避けるべき、と高橋医師は強調する。「がんのスペシャリストは大事です。しかし、過度に専門分化しすぎることには疑問を感じます。役割分担を徹底するのではなく、専門性を持ちながらも、総合的に広い視野で考えることが大切です。たとえば、緩和医療に従事する医師は必要。でも、緩和しか知らない医師ではダメです。人工肛門を造設する手術をできる外科医でも、その後の管理の仕方を知らない医師であってはなりません」。

人間が人間らしく生きていくために、がんを通してどうすればいいかをトータルに考えたい、そのための専門性として外科を選んだ高橋医師。入院治療・外来治療・在宅治療の3本柱を1つのパイプでつなぐ医療をめざしている。

医師プロフィール

1984年3月 山形大学医学部卒業
1984年6月 東京都立駒込病院外科(現在のがん・感染症センター都立駒込病院外科)に勤務
同院外科医長、大腸外科主任を経て現職