佐原力三郎 医師 (さはらりきさぶろう)

JCHO東京山手メディカルセンター

東京都新宿区百人町3-22-1

  • 大腸肛門病センター
  • 副院長
  • センター長

消化器科 肛門科

専門

大腸・肛門疾患の診断と治療、特に外科手術

佐原力三郎

佐原力三郎医師は、痔の名医として全国的に知られている。センター長を務める大腸肛門病センターには、技術を習得するため医師たちが見学や長期研修に訪れ、全国各地に戻っては大腸肛門病の専門医として活躍している。日本大腸肛門病学会の肛門疾患部門でも中心的な役割を果たし、年3回の大腸肛門病懇談会も同センターで開催される。外科手術を得意とするが、不要な手術は行わず、低侵襲で肛門機能を落とさない根治性の高い方法の開発に努めている。同センターでは、脱出を伴う内痔核に投与するALTA療法(ジオン注)の治療も行う。

診療内容

名医で知られる佐原力三郎医師のもとには、他では治しきれなかった患者や、重症化した患者が多数訪れる。
「痔は良性疾患ですから、必ずしも治療が必要ではありません。患者さんが望むなら治療するし、気にしていなければ治療しなくていいのです。ただ、鑑別しなくてはならないのは悪性疾患です。単なるイボ痔なのか直腸ポリーブなのか。ポリーブなら、いずれ”がん”化する可能性がありますから治療しなくてはならない。たとえ患者さん本人がイボ痔だと言っていても、肛門の診断で不審に感じたら、鑑別のために検査すべきです。ところが専門医でも、安易に経過を診てしまうことがあります。一方「がん化するかもしれない」ことを、安易に手術を勧める道具にしている医師もいます。痔ろうがんは心配ですが、痔ろうがすべて、放置したらがん化するわけではありません。そのあたりの鑑別は最も重要です。私のところには悪化した患者さんが大勢来ます。痔ろうを何回もやって、紹介されて来院したときは既に痔ろうがんだったという患者さんもいます。なぜそうなる前の段階で、主治医はがんを疑わなかったのか…と思いますね。疑う姿勢は大事です。専門的な知識、経験はそういうところで生きるものだと思います」と不必要な治療を施されている患者の多さ鑑別の重要性を訴える。
「治療法は、患者さんが何を求めるかによって違ってきます。患者さんの希望が、保存的な治療で可能な場合はそれが第一選択です。一方出てくるイボを何とかして欲しいという希望の場合は、薬をつけてもどうにもならないので外科手術で取り除くか、あるいは適応が合えば、注射だけでも脱出や痔核の症状を抑えることもできます。何をどうしたいかを聞いて、それによってテーラーメイド的にこちらから治療方法を提示する。それが昨今のやり方ですね。痔ろうも、症状のあまりない、枯れたような痔ろうをわざわざ掘り起す必要はありません。良性疾患なのですから、なるべく低侵襲で、患者さんが満足するレベルまで改善してあげるのが私の治療の基本的な姿勢です」(佐原医師)
佐原医師は外科手術を得意とするが、不要な手術は行わない。
「たとえば痔核の手術方法にPPH(専用の自動吻合器を用い、痔核そのものを切除せず、痔核の上方にある弛緩延長した直腸粘膜と血管を環状に切除・吻合し、痔核を正常の位置につり上げ、縮小させる方法)という方法がありますが、一度もやったことがありません。使用する器械の関係で値段は高くなるし、術後疼痛がないといっても侵襲的には決して少なくはありませんし、何よりその方法がベストと思われる痔核はないのではないか思っているからです。痔核の治療をすべてPPHで行うのは大反対です。目立たないといっても肛門の環境・正常部分を破壊するような手術をする必要はありません。他の病院でPPHを受けた後にいらした患者さんに、PPHをする前はどういう症状だったんですかと聞くと「症状はなかった」という方もいらっしゃいます。内視鏡で内痔核があるといわれて、将来大きくなると困るよと言われてPPHを受けた結果、それまでなかった痛みが出てきたと言う人もいらっしゃいます」(佐原医師)
「低侵襲で肛門機能を落とさず、確実に治るのが理想です。痔ろうでは、肛門の中をいじらないで外からだけで治療する方法を開発し、行っています。便の通り道を傷つけないので、術後の痛みも排便障害もなくて、なおかつ根治できる、いい治療法だと思っています。適応には限定がありますが」(佐原医師)
低侵襲で肛門機能を落とさない根治性の高い治療法の開発をめざしている。

医師プロフィール

1978年3月 群馬大学医学部第1外科に入局し一般外科を研修
1982年6月 当院大腸肛門病センター研修医
1986年9月 同センター医員
1990年9月 同医・長
1998年7月 同部長
2006年4月 同センター長
2007年9月 副院長
現在に至る